2021/09/08 13:07

インターネットが普及し、人々の記憶や様々な情報がCLOUDに保存される時代。ところがそのデータは分散して保管され、目を離すと見失ってしまう。所在のはっきりしないその記憶は、果たしていつまで保存されるのだろうか? 例えば人類が滅んでも、(電力供給が維持されていれば…)CLOUDデータとして漂いつづけるのだろうか。
このことは、親しい人の死と向き合った時に私が感じたことと似ている。葬儀場に横たわる肉体は確かに活動を停止し、その人はそこに居ないと感じる。しかし一方で、その記憶は雲の上を漂い、存在しているように感じる。
1本のワイヤーを一筆書きの要領で空中に人を描くことで、「線」である二次元の作品が多次元に展開していくワイヤーアート。本展では、インターネットの普及でCLOUDに情報が共有されていく現代に着想し、「線」をデータ通信のコードに見立てて作品とした。人を模ったコードにあなたは何を見るのだろう。

升田学 Wire Drawing Exhibition|CLOUD LINE
2021年9月10日(金)ー14日(火)10:00-18:00(最終日のみ15:00まで)
宝塚市立文化芸術センター サブギャラリー
〒665-0844 兵庫県宝塚市武庫川町7番64号.
HP:https://takarazuka-arts-center.jp/